ハクバのeポッドセルフィ―は藤堂高虎公なみに空気を読んだ製品だ

 人が生きるうえでブレてしまうのは良いこととは言えない。たとえ、それが偽りの行き方であってもだ。中途半端に真実をさらけ出すと、とんでもない破綻を招いたりする。

hakubasab.jpg豊臣秀吉の失敗はそこだったと言われている。彼は、周知のように農民しかも小作農の出であり、まさに小者からたたき上げて、天下に関白宣言した。性格は、謙虚であり誰にでもヘリ下り、場の雰囲気を和ませるために、まさに猿真似もするなど練れた人物であった、、はずであった。だが、本来の彼はそんなことはない。誰よりも権勢欲も支配欲も強い。依怙贔屓も盲目的だし。おまけに、それらの点を傷つけるものがあると容赦しなかったし、刑には残酷であった。

だが、成り上がり者として、自分より遥かに出自や学問、武勇があるものを手なずけ、良い気分にさせて協力させるのに、どうしても天性を押し殺す必要がある。そのために、苦労した経験で得られた第二の性格や行動を自分に課して地位をつかんでいった。と、ここまではいい。それなら、それで徹底すべきであった。が、さしもの彼も上役的な人間がいなくなる状態になったら、その演技が続かなくなり本音が出た。自分に歯向かうものや邪魔なものには残虐な刑罰もするし、色事には見境がなくなる。挙句の果てには、肉親の可愛さがすすみ、死の際に子供の豊臣秀頼の行く末を頼む、と徳川家康に懇願しながら死去した。だが、秀頼などというのは、まだ幼子であり海の者とも山の者ともわからなかった。サポート体制も制服組と背広組の対立を残しており、案の定、老獪な家康の手管にのり、政権は崩壊した。

いくら認知症が進んだとはいえ、なぜ、自分の演技を保てなかったのか。いや、せめて年をとってきたら正常な判断が衰えるのだから、さっさと引退してしっかりとした後継者を薄い血縁でもいいから決めておけばよかったのだ。そのうえ、自分は一切口を出さない。本性を出してしまったのが、彼の晩年の失敗だったと思う。

これとは逆の例もある。徹底して貫いたパターンだ。三国志時代の劉備玄徳である。彼は、どちらかというと育ちの良い遊び人の頭みたいだが、正すべき時は正せるタイプではあり、そのルールは死ぬまで破らなかった。死の間際に諸葛亮孔明に対して「もし、子供の劉禅に、器がなければ、お前が国を治めてくれ。子供には、生活がたつようにしてくれるだけでいいから」と言い残している。これは、本音を語りつつも自己を徹底して貫いている。

日本でも、そういう人物はいる。秀吉の弟の秀長にも使えたことがある藤堂高虎だ。この高虎。先祖はきっちりとした家柄ではあるが、没落して足軽の身分から身を起こした。その後に、主君を何度も変えたり、流浪しているときに生活が苦しい時は、無銭飲食もしている。そうして身に着けた、徹底して相手に取り入るという姿勢は最後まで崩さなかった。人は気が変わる、ということを常に頭に叩き込んでいたのだろう。あの老獪で用心深い家康をも、律儀な人間と死ぬまで信じ込ませた。

手柄をあげて、伊勢の国を領していた晩年には、わざわざ家康のもとに出向き。自分が死んだあとは、不肖の倅が要衝である伊勢の国を治めるのは、徳川家にとってマイナスだ。国替えをしてほしいと頼んできた。家康は、逆にその律義さと忠誠心に感じ入り、そのままおさめることを厳命したうえに、新参者だった藤堂高虎を譜代待遇にした。最後まで、自分の演技を崩さずに貫いた。もっとも、死んだ後までは無理だ。幕末の戊辰戦争の際に、幕府方で最初に裏切ったのが藤堂藩だったという。有利なところに着くという習性はそのままだったか。。

ともかく、すべてに生き残るのは、このように状況を冷静に分析して、柔軟に対処するという能力ということだ。この冷静な対応力ということを忘れない事だろう。

そういう点では、ハクバ写真産業の姿勢は徹底している。時宜を読み、常にタイミングよく商材を送り出している。このほど発売したeポッドセルフィ―は、グリップとしても使えるミニ三脚とスマホを固定できるモバイルホルダーやアクションカメラ用のセットである。ヘッド部分は自由に傾けることができるので、細かい画角の調整も可能だ。まだまだ続きそうなテレワークや、第二波がきそうな自粛の際におうちフォトを楽しめるような気軽な用品となっている。

まさに、ハクバのeポッドセルフィ―は時世を藤堂高虎並みに読んだ製品、なのだ。

しかし・・藤堂高虎という人物は、調べれば調べるほど面白いよな。書いたように、足軽から成り上がり、無銭飲食も経験しているところなど話題にも富む。かなり、大河ドラマ向きの人物だと思うけどなぁ・・。再来年の北条義時よりも。。
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