3iのカメラポシェットは幕末の剣客の気迫を持つ製品なのだ

 勝とうと思うと負けることがある。さらにいえば、何かをギラギラと狙うとことを為せないことがある。目的志向があまりにも強いと、うまくいかなくなったりする。

幕末の剣客の山岡鉄舟の話である。彼ほどの剣客でも、どうしても勝てなかった相手がいた。浅利又ポシェット.jpg七郎という剣士である。彼と対峙すると、どうしても姿が大きく見えて勝てる気がしなかったのだ。勝とう倒そうと勇猛心を振るっても駄目である。そんなときに、商人として成功した元弟子が挨拶に来た。商用で近くに来たようだ。久しぶりの再会に喜び、四方山話をしていたのだが。その弟子曰く。「今まで商人として投機的な仕事もしてきましたが。面白いことに、儲けようと思うと失敗するんですよね」と語る。「ほう、ではどういうときに成功するのだ」と山岡鉄舟。「不思議なことに、もう儲けとかではなく、良い商売をしようと開き直ったときに限り運に恵まれ、知恵も生まれ成功するのですよ」と。

その時、山岡鉄舟の脳裏に閃いたという。自分は、常に浅利殿に勝とう勝とうと考えて剣技を磨き挑戦し負けていた。それが逆に、剣士としての力を抑えて居たのではないか、と。そこで、改めて考えた彼はついに『勝ち負けではなく、良い剣を見せよう」と決心したという。その後に、彼は、その心持で純粋に浅利と対峙。すると、相手は「もはや、私の及ぶところではありませんな」と一礼して降参したという。

これは少しわかる気がする。無欲の勝利などとカッコいい言い方もあるが。要は、集中力の問題だろう。人は適度以上の欲望を持つと、そちらに気が取られて能力を発揮できなかったりする。その際に、ともかくベストを尽くそうという心境になればということではないだろうか。

ところで、写真用品である。蔵ブランドでお馴染みのサンアイからカメラポシェットが発売された。かなり店頭で人気のようだ。非常に、こだわった商品で、生地は当然として紐を通す穴から内部の構造など、ここまでかよ、という感じで細部に配慮している。これは、売れるだろうと思うのだが。業界紙のほうで取材のおりに、サンアイの社長に聞いたら。なにもマーケットの状況を見て実績予想で販売したわけではない。生地そのものを一堂に集めた展示会を訪問し、ここで『ともかく、この生地を使った商品を作りたい』と考えたのがきっかけだったようだ。その良い生地で良い商品を作る、その思いでできたのがカメラポシェットなのであった。

まさに、3Iのカメラポシェットは不世出の剣客の心境に匹敵する精神で生まれたのだ

しかし、本当にそうだよなぁ。欲はよくないよ。今日は呑んでやろうと呑むと悪酔いする。ともかく充実した時間を過ごそうと思うと。。とりあえず二日酔いはないかも。。
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