ワイズクリエイトは独り立つ姿勢を持ち続けた強い企業だ

 プロ野球の日本ハム・杉谷選手が引退した。彼は、既に起業を予定しており、先に起業した斎藤佑樹氏などに助言を求めたという。

起業か。。本欄でも度々、業界内の起業家の姿を取り上げた。が、やはりその最初ともいうべき存在がいる。ワイズクリエイトの木戸社長である。大判カメラの普及をメインに様々なジャンルにまたがり、業務をおこない。業界でも一翼を担った。本郷三丁目に自社ビルを構えるまでに至り、出版分野では大判カメラマニュアルといういまだに売れ続けている文字通りの他にないマニュアル本を出版した。

もともと駒村商会のトップ営業マンでありながら、その地位をあっさりと捨てて起業したのは凄い。大判カメラマニュアル.jpg今ほど、起業という概念が言われてなかった時だ。同社長曰く、自由に動きたかったというのが大本のようだが、この時点でサラリーマン生活でも実績を挙げている人物が、より柔軟な活動をしたくて起業して成功する、というセオリーを地で行っている。

木戸社長について、注目すべきは文字通りにすべてを一人でこなしたことだろう。会社のホームページ作成からSNSの発信。商品などの手配から販売。さらには出版事業を始めるにあたっての様々な手続きから実務まで全て勉強しこなした。そのエネルギー量には目を見張るものがある。各種のクラブも主宰していたのだが、その会報の編集も一人でこなした。まさに、ワイズクリエイト=木戸社長であった。なので、その木戸社長自身が既に自らのパワーの衰えを自覚したという。もっとも、驚くべきは、その会社をたたむという作業も専門家に頼ることなく、5年前からコツコツと行ってきた。

年内に業務を終了。来春には残務整理を終えて廃業するという。

木戸社長の起業のパワーの源はどこにあったのだろうか。それは、いろいろな要因があるだろう。だが、その根本は『人は独り立つとき、もっとも強し』ということではないだろうか。もちろん、木戸社長自身は、自身が主宰のクラブの多くの会員との交流や数々の人々とのやりとりをしている。だが、基本的な姿勢としてすべてを独りで行う、その覚悟を持っているような気がする。

大判カメラというのは、使っている人をたまに見ても、なんとなく孤高なシニアという感じがするが・・。

まさに、ワイズクリエイトは独り立つ強さを持って起業しえたのだ。

しかし、本当に独り立つのは強いと思う。ちなみに、業界で起業組の中でそのスタイルを貫いているのは、エー・パワーか山田屋写真用品がいる。どちらも根本的な強さがあるような気がする。
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H&Yフィルタージャパンの販売のやり方は気鋭の歴史学者のやり方に近いのだ

 以前から書いているが、ここのところ写真業界というやつでも若い世代の活躍が目立っている。売り上げをあげている写真店の社長なり新興メーカーの起業家なりが、ともかく若い。
 
 そんな中で、やはり注目はH&Yフィルタージャパンの31歳の主宰者である。なぜ注目か。若いな新井さんふぃるたーだお.jpgがらも、この主宰者はかなり頭の良い動きをしているからだ。ちなみに頭が良い、という表現を敢えて使わせてもらったが。この頭の良さというのは、どういうことを言うのか。改めて考えてみる。

それを考えるうえで、本欄特有の全く関係ない例を出す。歴史学というか歴史学会の話だ。実は、著名な歴史学者の本を読んでいて唸ってしまったのだ。歴史学者のあるべき姿勢についてである。内容をおおまかに書くとこうだ。あるとき、著者が会合で発言した。彼は、歴史的資料を徹底的に実証したうえで、複数の資料の検証結果から当然、導かれるであろう一定の結論に達した。もちろん、その理論構築は精緻なものであり、また結果はこれまで誰も言及しなかった説となった。だが、これに対して他の学者が反論。その分析について異議を唱えるならまだしも、その説はどこの資料にも出てないことなのだから、きちんとした説になりえないと叫びだした。

これに対して、著者は激怒した。いや、自分の説が否定されたからではない。本来、実証を得たうえできちんとした関連資料からも状況証拠を示したうえで推論をして説を唱えることこそ実証史学たるゆえんではないかと。反論者のやり方は、単に資料を機械的に並べて現代語訳にしているだけに等しいのではないか。学問の発展のために危惧したからだ。ただ、思わず余計な一言も言ってしまった「あんたは馬鹿か」と。本によると、そのあとは地獄絵図になった。罵詈雑言が飛び交い、周りが凍り付いたのだ。

まぁ、この罵詈雑言はともかくとして。このあらゆる資料を実証的に考えたうえで、精緻な理論を組み立てて一定の説を確立する。説というのはメソッドに置きかえてもいいが。実は、これこそが頭の良い人間たるゆえんなのである。大概の人間は、この反論してきた先生のように、当たり前のことを当たり前のようにしかコツコツできない。この行動の9割+1割の推論あるいは、ひらめきでもいいが。これができるのが、頭の良い人なのだ。

実は、その点ではH&Yフィルタージャパンの主宰者の動きは、頭の良さを感じるのだ。コツコツとデータを取る、それは当たり前だ。で、商品的には売れ筋を提案する。さらにそれに+αで顧客の動きを見て新たなアクションをする。それは、品揃えがメインだが、それ以外でもその姿勢を売り方に反映させることをできるからだ。具体的には、触ってもらう機会の創出である。売上シェアでもH&Yフィルターはネットメインだが、実機を触ってもらうことで多くのファンをつかめる。そのために、積極的にイベント出展するとともに、大手量販でのリアルな販売も開始している。かなり、柔軟かつ現実的な展開だろう。

まさに、H&Yフィルターの動きは有名な学者並みの知見に近いのだ

しかし、本当にそうだよなぁ。そういえば、この主宰者はこの業界の前に一時的にアパレル関係のネット販売にも携わっていたが、ファッション業界でもないのにデータを基調にした分析と、その結果を活かした販売を行い驚くべき売り上げをあげている。やはり、頭が良いということだ。まぁ、コツコツ足で稼ぐ記事しか書けないこちらとは、違うなぁ。。と、とりあえず酒を呑む。
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ケンコー・トキナーの新フィルムスキャナーは新しい風を起こすのだ

 世の中というのは本当に変化しているのか、と思うことがたまにある。

もちろん、あらゆるものが進化しているのは、いくら何でもわかる。昔は、スマホなどなかったし考スキャナー.jpgえてみれば、マイナンバーカードなど信じられないだろう。だが、全体的な流れをみると、それほど画期的な変化が起こっているのだろうかと思ったりする。

わかりやすい例でいうと、大河ドラマである。どうも、ネタになる時代や人物が限られているせいか、一度、とりあげられたテーマや人物が繰り返し、ある意味一定の周期くらいの感覚で出てくる。人物でいうと、豊臣秀吉や徳川家康、あるいは武田信玄やら上杉謙信とか。また、時代でいうと戦国か幕末を繰り返す。今人気の鎌倉殿の13人に関しても、同じようなテーマで『草燃える』というのが過去に放送されていた。

同じようなテーマや人物を繰り返し、まわっていく。大河ドラマはほんの一例だが、世間ではそういった流れは多い。複数のアイドルグループなどというものも、昔か存在していた。

ただし、だ。実はここが重要なのだが、面白いのは同じテーマを繰り返しつつも、実はかなり違う要素を加えながら進んでいるのだ。先程例に挙げた大河ドラマでいうと。まずは、今の鎌倉殿は書いたように、草燃える、という作品があるのだが。主人公が全く違うのだ。なるほどという感じだ。来年放映される「どうする家康」もそうだ。徳川家康といえば、生まれつきの大物さがあるような気がするが。来年は、ヘタレで強くはない家康が登場するという。そう。同じテーマでも新しい要素を加えて、回転していくのである。

ところで、写真用品である。フィルムカメラブームと言われて久しい。もはやブームではなく若者層を中心に嗜好として定着した感がある。そんな中で、改めてケンコー・トキナーが10月7日に新製品のフィルムスキャナーを発売する。フィルムスキャナーというと、やはり以前からあるものではあるが、やはりこのKFS-14C5Lは、大型5インチモニターだったり、写真プリントもスキャンできたりと楽しめる要素が多いのだ。

まさに、ケンコー・トキナーの新フィルムスキャナーは昔からの流れに新風を入れた製品、なのだ。

しかし、本当にそうだよなぁ。フィルムスキャナーとは昔からあるのだが、少しずつ進化している。かなり、お洒落な感じもする。今度は、改めてでいうと何がでてくるのだろうか。興味深い。
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