ベルボンブランドのプロジオN830は原点に立ち返った強さを感じる機材だ

 この欄でも過去に書いたことがあるが。刀では胴田貫が好きである。そもそも、刀とは美術品なのではない。人を斬る道具だ。江戸時代以降に、武士が刀を抜く機会が減り魂だ、とかなった。さらには、明治以降の廃刀令が出た後は、完全に美術品となった。

Professional+Geo+N830.jpgだが、考えて欲しい。どうしたって人を斬る道具なのだ。それが、原点だろう。その原点を常に忘れずに存在したのが、胴田貫だ。一説によると、倒れた相手を上から鎧の胴越しに突いたところ、すべてを突き抜けて下の田にあたったという。これこそ、人を殺傷する道具としての面目躍如ではないか。

これは、剣術についても言える。なにやら、剣の流祖が神秘的なものと結びつけようとしたせいか、仏教や神道と結びついたりしてきたが。だいたい、いかに人を殺傷するかの技術だ。その典型的なものが居合術だろう。あれは、どうやっても、ともかく座敷で対面したときに一気に素早く相手を葬り去る技術だろう。もともと創始した林崎甚助だって、後から追求して道に高めたのであって、最初に確立したときはそこまでいってたかどうかだ。

ちなみに、それを隠さなかったのが、宮本武蔵だ。彼は、徹底した合理主義者であり、一本より二本を使ったほうが有利な場面もある、との発想が原点になっている。もっとも、それはそうだが。あの思い日本刀を片手に持って自由自在に使いこなせるような腕力と運動神経を持った人間は、彼以外なかなかいなかったらしくて、後継者からは達人が出なかった。敢えて言えば、司馬遼太郎先生の書く、十一番目の志士の天堂晋助だろうが。これは架空の人物だ。

 いずれにしろ、物事はいつの間にか大層なものになり、原点からかけ離れてしまっていることが多い。もちろん、美術や芸術などを否定するものではないが。そういった大層な飾りというのは、時と場合によっては取り去って原点を考えてみることも必要なのではないだろうか。

その点では、ベルボンがこのほど原点ともいうべき大型のカーボン三脚を久しぶりに発売してくれた。プロフェッショナルジオN830、同840、同840Sである。確かな堅牢性と機能性もあるが。さらに新開発ロックナットなども取り入れるなど随所に最新装備もされている。注目だ。

 まさに、ベルボンブランドのプロジオN830シリーズは原点の強さを実感するのだ。 しかし、本当にそうだよなぁ。飾るのもいいが、原点に立ち返って考えてみると、意外に閉塞の時代に突破口が考えられるかもしれない。
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