H&Yフィルタージャパンの販売のやり方は気鋭の歴史学者のやり方に近いのだ

 以前から書いているが、ここのところ写真業界というやつでも若い世代の活躍が目立っている。売り上げをあげている写真店の社長なり新興メーカーの起業家なりが、ともかく若い。
 
 そんな中で、やはり注目はH&Yフィルタージャパンの31歳の主宰者である。なぜ注目か。若いな新井さんふぃるたーだお.jpgがらも、この主宰者はかなり頭の良い動きをしているからだ。ちなみに頭が良い、という表現を敢えて使わせてもらったが。この頭の良さというのは、どういうことを言うのか。改めて考えてみる。

それを考えるうえで、本欄特有の全く関係ない例を出す。歴史学というか歴史学会の話だ。実は、著名な歴史学者の本を読んでいて唸ってしまったのだ。歴史学者のあるべき姿勢についてである。内容をおおまかに書くとこうだ。あるとき、著者が会合で発言した。彼は、歴史的資料を徹底的に実証したうえで、複数の資料の検証結果から当然、導かれるであろう一定の結論に達した。もちろん、その理論構築は精緻なものであり、また結果はこれまで誰も言及しなかった説となった。だが、これに対して他の学者が反論。その分析について異議を唱えるならまだしも、その説はどこの資料にも出てないことなのだから、きちんとした説になりえないと叫びだした。

これに対して、著者は激怒した。いや、自分の説が否定されたからではない。本来、実証を得たうえできちんとした関連資料からも状況証拠を示したうえで推論をして説を唱えることこそ実証史学たるゆえんではないかと。反論者のやり方は、単に資料を機械的に並べて現代語訳にしているだけに等しいのではないか。学問の発展のために危惧したからだ。ただ、思わず余計な一言も言ってしまった「あんたは馬鹿か」と。本によると、そのあとは地獄絵図になった。罵詈雑言が飛び交い、周りが凍り付いたのだ。

まぁ、この罵詈雑言はともかくとして。このあらゆる資料を実証的に考えたうえで、精緻な理論を組み立てて一定の説を確立する。説というのはメソッドに置きかえてもいいが。実は、これこそが頭の良い人間たるゆえんなのである。大概の人間は、この反論してきた先生のように、当たり前のことを当たり前のようにしかコツコツできない。この行動の9割+1割の推論あるいは、ひらめきでもいいが。これができるのが、頭の良い人なのだ。

実は、その点ではH&Yフィルタージャパンの主宰者の動きは、頭の良さを感じるのだ。コツコツとデータを取る、それは当たり前だ。で、商品的には売れ筋を提案する。さらにそれに+αで顧客の動きを見て新たなアクションをする。それは、品揃えがメインだが、それ以外でもその姿勢を売り方に反映させることをできるからだ。具体的には、触ってもらう機会の創出である。売上シェアでもH&Yフィルターはネットメインだが、実機を触ってもらうことで多くのファンをつかめる。そのために、積極的にイベント出展するとともに、大手量販でのリアルな販売も開始している。かなり、柔軟かつ現実的な展開だろう。

まさに、H&Yフィルターの動きは有名な学者並みの知見に近いのだ

しかし、本当にそうだよなぁ。そういえば、この主宰者はこの業界の前に一時的にアパレル関係のネット販売にも携わっていたが、ファッション業界でもないのにデータを基調にした分析と、その結果を活かした販売を行い驚くべき売り上げをあげている。やはり、頭が良いということだ。まぁ、コツコツ足で稼ぐ記事しか書けないこちらとは、違うなぁ。。と、とりあえず酒を呑む。
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