写真用品は自分を持って行く

  考えてみれば、このブログも年内最期の発行となる。よく続いたなぁと我ながら思うが、息も絶え絶えに続けてきた拙い文章を読んでくれてきた読者の方々には心から感謝したい。

 cube_1600.jpg継続は力なりという。それは確かにそう思う。だが、それをするためには、いくつかの条件というか、当たり前だが、ある種のしつこさと、相手の顔色を見ないという、自分主義のところが必要であろう。しつこさというのは当然としても、相手の顔色をみないというのは、自分の価値観を断固貫くというという良い意味で空気を読まない姿勢ではないだろうか。TOKIOというアイドルグループか何かが歌っていた「宙船」という歌の一節にあるように、「お前のオールを任せるな」という態度だろう。この歌詞は意外に深いものがあると思うのは、我々は知らず知らずに、自分のオール即ち自己価値決定権というのを人に預けている場合が多いからだ。

 会社ではそういう場合が往々にあるが、それはいちいち指摘しても仕方ない。そうではなく、普通の日常生活においてもそうなる傾向があるのだ。特に、優しい、といわれる若い男性には、そのタイプが多いと思う。人に気に入られるように考えて、その通りに振るまう。もっとも、そうしてオールを預けても、相手が自分の想像通りの方向に船を進行してくれないと、妙に裏切られたような気分になり、ショックを受けたり怒ったりする。

 だが、自己決定権はもともと自分にあるはずである。自分の価値を自分で定めて、手探りで進んでいくしか道はないはずだ。オールは自分で握ってこそ、自分の船のオールなのだ。そのあたりは、例え、客観的に見て惨めでも、自分で責任を持っていくしかないのではないだろうか。

 その点、写真用品たちは自分のオールを持ち、常にカメラ海(界)を泳いでいる。自分たちの方向を自分で決めて、ある部分に特化したりしながら勢い良くオールを漕ぐ。

 ベルボンから遂にトラベル用三脚のCUBE(写真)が発売された。もともとは、今年の一月下旬に発売予定、だったような記憶も過去にある。もっとも、それも、いろいろと改良を加えてのことと思う。ベルボンだって、ドル箱になりそうな、この商品は早めに発売したかったはずだ。だが、あえて、自分たちの納得のいくまで精査し、ほぼ完璧な状態で発売したことになる。まさに、自分のオールをきちんと自分で漕いで来たのだ。既に、カメラ店では予想以上の売れ行きのようだ。来年にかけて、明るい材料であろう。

 ともかく、写真用品は自分を持って行く、のだ。

  しかし、この自分を持つというのは難しいよなぁ。特に問題視すべきは、国家に対してだろう。国と、その意向に沿ったマスコミ連中に、いつのまにか自己の価値観のオールをとられて流されているような気がする。
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