写真用品は百万人といえども我行かん、だ

 前回、ランチェスター戦略について書いた。この戦略の肝は、やはり対象を細分化して大手企業とは違ったニッチな部分で局地戦を展開するということだろう。

 既に大手企業の進出している分野そのものは、いくら技術力があっても、小規模の企業が戦いを挑むことは無謀に近いのである。これは、もちろんそうだ。

 だが、あくまで商売っ気抜きの個人的感情でいえば、これは何だかスケールの小ささを感じる。確かに、賢いだろう。ちょうど、我々哺乳類の先祖が、恐竜が暴れまわる時代に、間隙を縫って、ちょこまか生き延びたように近い。もちろん、それは結構だろう。だが、そんな恐竜全盛の時代に、真っ向から勝負を挑んでもよかったような気がする。やり方はあったろうし、意外にうまく行ったかもしれない。それが、成功していれば、今頃、我々の人間の平均身長も何倍あったかわかりゃしない。これはこれで、爽快だ。

 しかし生物学的にはともかく、このような戦略を企業レベルではとったところがあるから、凄い。

  画像 002.jpg具体的には納豆という分野だ。この市場は、10年くらい前は伝統的に、オカメ納豆のタカノフーズが抑えていた。ものの本によると、シェアが25%というから、とんでもない。そのほかは、弱小ばかり。もはや、この市場は確定していた。が、この一匹の恐竜が支配しているような市場に敢然と、正面から戦いを挑んだ企業があらわれたのだ。当時、食用の酢で著名だったミツカンだ。ここは、「金のつぶ におわなっとう」という商材で切り込んできたのである。まぁ、匂わない納豆という斬新なアイデアが肝だったろうが、それでも正面突破で堂々と戦いを挑んだ。結果どうだったか。翌年には、なんと15%近くのシェアをとって、業界二位にこぎつけたのである。

 古代地球でいえば、恐竜の全盛時に、突然、海を支配していた鯨あたりが陸上に進出(まぁ、本当は鯨はもともと陸上生物で海に入って現在の形態になったのだが、一応たとえとしてだ・・)し、並みいる草食恐竜を薙ぎ倒し、ティラノザウルスあたりとも互角に近い形で張り合えるようになったようなものだ。何か、爽快ではないか。

 横道にそれたが・・。納豆は納豆として、では写真用品ではどうだろうか。実は、つい最近現れたのである。あのスリック、ベルボンという二大巨頭が占めている国内三脚市場に、堂々と参入したのが常盤写真用品である。

 常盤といえば、中部地区を中心に展開する流通商社だが、このほど中国のブランドであるSIRUIを引っさげて、乗り込んできたのである。以前からオリジナル商品を手がけたかった、と同社の担当部長は語っている。が、それにしても、いきなり本格三脚として、カーボンもアルミもラインを揃えるとは大したものである。ちょっとした普及タイプのではない。あくまで正面から市場で展開するのだ。

  とにもかくにも、常盤のこの姿勢にはエールを送りたい!

   写真用品は『百万人といえども我行かん』、なのだ。

 しかし、話は変わるが、正月にテレビを観る機会があったので、「2億5千万年後の地球」というのを観てみた。今回のブログでは恐竜云々などと書いたが、それらの発展や興亡も夢のまた夢。地球はひとつの大陸になり、動物がすめる環境ではなかった。つまり、一度原始に戻るのである。その後に、また別の生物が進化し・・との繰り返しになるらしい。。まぁ、そんなもんか。
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