ケンコー・トキナーのレンズクリーナーの劇落ちくんは福澤諭吉先生も認めた危機管理のための商品なのだ

 この欄で何度も書くが。人は強い奴ばかりではない。こちらをはじめとして、ヘタレなチキンヤローというのは意外に多いのだ。なのに、世の中は強いやつにスポットを当てて、そうあるべきみたいな風潮がいまだある。特に、個人主義の土壌にはない我が国は、そういう傾向が強い。

kenkotokina_4961607872024.jpgもちろん、それは悪いことではない。集団行動が基本である場合は、強者についていく形にしないと全体の統一なり目指す方向がはっきりしないからだ。だが、チキンヤローは、そうはいっても生まれ持った性分であるからどうしようもないだろう。では、どうするかだ。もはや、天性のものだと割り切って、その性根に従って、ある意味堂々と即して行けばいいのだ。

その姿勢を体現した人物を具体的に挙げると、やはり明治の巨星である福澤諭吉だろう。しかも、彼はその弱い部分を隠さなかったので、まさにチキン王である。それをあらわすエピソードがいくつかあるが、最も有名なのは学問に対する姿勢を示した有名な逸話である。彼が慶應義塾を始めたころは、江戸の一部は戦場と化していた。いつ、自分たちの学び舎も巻き込まれるかわからない。だが、彼はそれをものともせずに、真摯に経済学の講義をしていたというのである。これだけ見ると、チキンには程遠い。だが、裏がある。あらかじめ家財は避難させており、さらに近くの船着き場には皆が乗れる船を用意しており、いよいよとなったらいつでも逃げだせる用意をしていたのである。

ただしだ。彼のチキンの王たるゆえんは、それを全く隠さなかったところだ。自分の自伝にも書いているし、人からその点で批判を受けても、その通り何が悪いと平然としている。弱さを隠すつもりなど毛頭ないのだ。彼の行動は、一事が万事、その通りで。これは、業界紙のほうにも書いたのだが、夜道で刀を帯びた侍と遭遇した際に、逃げ出した話なども堂々と語っている。そう、隠さずに堂々と自分の弱さを自覚して、その弱い自分をベースに対策をして生きていけばいいのだ。

現代では危機管理能力が高いと言われそうだが。当時で、この姿勢は随分と奇異に映ったろう。だが、本人は気にしなかった。まさにチキン王だ。

ところで写真用品である。ケンコー・トキナーのロングセラー商品に激落ちくん、というのがある。アルコール成分を使ったカメラレンズクリーナーで、発売以来、堅調に売れている。この、劇落ちくんが、最近改めて注目を集めている。要は新型コロナウィルスが原因だ。カメラという人が触ることを前提にしている機材をアルコールで拭き取る商材として、かなり活用されているのだ。しかも、持ち運びする際に、そのアルコールが揮発しないようにアルミ個装している。まぁ、豪快ではないかもしれない。だが、こういう備えをしているからこそ、撮影も心から楽しめるのだ。

まさに、ケンコー・トキナーの激落ちくんは福澤諭吉先生も納得の危機管理用の商材、なのだ。

しかし・・本当にそうだよなぁ。弱さなど認めて、備えたければ恐怖に備えて行動すればいいのだ。こちらも、懐の恐怖に備えて、自分をごまかさずに今日も安酒場に行く。
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