サイトロンジャパンの月面観測フィルターのムーンフィルターは大きなスケールの品だ

 幕末の英雄である坂本龍馬が、土佐藩を脱藩したおりに盟友の武市半平太は『あいつは土佐に収まりきれないやつだから』といった趣旨の発言をしたという。原文では『あだたぬ奴』と言っているが、このあだたぬ奴というのは、真っ当を得た語感だ。

94315_Moon_Filter_Kit_1-25_01.JPGというのも、どうしても組織に収まりきれないタイプの人物というのはいるからだ。もちろん、本人の自覚のないうちは組織に縛り付けておくことも可能だが。それでは、ただの外れ者で、かえって害をなす場合が多い。そうではなく、外に飛び出すと、意外に回りまわって出身のところに利益をもたらしてくれるケースが多い。坂本龍馬だって、外に飛び出し、人脈を作り海援隊を組織したため、出身の土佐藩からみれば中央勢力とのパイプにもなった。明治になり、曲がりなりにも土佐藩が一定の地位を築けたのは龍馬の人脈によるところも多い。

こういったパターンはもちろん、写真業界でも散見される。例えば、直近では天体ファンのカリスマであるサイロンの中川室長のケースだ。トミーテックでボーグブランドのイメージがあった同室長だ。サイロトロンに移ったので、古巣への影響やいかにと考えていたのだが、実はサイトロンジャパンは天体製品のショップももっているところから、より広い視点でボーグを宣伝してもいる。人員が少なく大変な思いをしている雰囲気のトミーテックのボーグ担当にとっては良いサポーターになっている。また、公平な視点なので他の社の製品も良ければアピールもしてもらえる。外に出ても、別の方面からプラスになった例だ。

で、このサイトロンジャパンが、直近で販売をスタートさせたのが月面観測用のムーンフィルター(写真)である。今年は天体業界にとって天文現象の大きなものがなく、当たり年とは言えない中で、地味ながらアポロが最初に月に着いてから50周年という節目をさらに、広めて需要創出に貢献している。これは、天体製品全体にとってもプラスになることだろう。

まさに、月面観測用のムーンフィルターは縛られない大きなスケールで人気が出る品、なのだ。

しかし、本当にそうだよなぁ。組織に向かない人間というのは、確かにいる。そういう人間にとっては、無理に組織にいる必要ないのかもしれない。外に出て、海援隊を作ってもいいのではないか。
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