エーパワーのHOLGA1200GCFは渋い剣客の雰囲気がある

 猫も杓子もフィルムカメラブームである。などと書くのは大袈裟か。だが、フィルムカメラが流行っているのは事実だ。中古カメラ店の新店舗はできるし、フィルムカメラ好きの若者は多くなっている。

いや、若者だけではない。以前にフィルムカメラを楽しんでいたというシニア世代も、改めて取り組ホルガ.jpgんでもいる。もっとも、若者が加わることによって通常の中古フィルムカメラだけではなく、少し手頃なタイプの安価なフィルムカメラも売れているのだ。

だが、そんな光を浴びている中で、動きがいまひとつなフィルムカメラ系の機材もいくつかある。そのうちのひとつが、エーパワーが発売するホルガだ。特に、2019年にホルガ120シリーズの生誕40周年を記念して発売したHOLGA1200GCF撮り比べセットの動きが鈍いのだ。撮影中にガラスレンズとプラスチックレンズの交換が可能な非常に楽しめるキットなのにである。ブローにフィルムだから現像云々というのは関係ない。通常のフィルム現像だって、自家処理できるカメラ店は限られているのだから、同条件である。ともかく何か歯がゆい。この製品をあまり認知していない人が多いのではないかとも思うがどうだろうか。

どうも、この製品を見ると、その見た目のカッチリ感から『いまひとつ光が当たらなかったが実はすごい剣客だった人物』を連想してしまう。例えば、江戸後期に剣術界で著名だった高柳又四郎という剣客である。音なしの剣というスタイルをとっている。要は、相手の竹刀が自分の竹刀に触れる音がすることなく勝負をつけるということだ。というか、これは実際の斬り合いでは当たり前のスタイルだろう。刀と刀などがあたったら火花が出て欠けてしまう。それより、切り落としという形で相手の刀を受けずに身を開き避けて相手を斬る。もっとも、これができるのは当然ながら達人である。そんな存在の高柳又四郎だが、一部の歴史ファン(学者ではない)にとっては知られているが、一般的には無名だろう。せいぜい、彼をモデルに中里介山が大菩薩峠の中で机龍之介という人物像を造形した程度だ。それとて、いまや古典だ。

まさに、エーパワーのHOLGA120GCN撮り比べセットは影の天才的剣客の雰囲気がする、のだ。

しかし、本当にそうだよなぁ。なにか、今の時代にもっと売れそうな気がするのだが。。ある用品関係者は黒だけではなく、カラーバージョンがあれば若者に受けるのではないか、とも指摘していたが。でも、高柳又四郎には黒が似合うのかもなぁ。。
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