森本化成の組み立て式暗室に見る真の教養の大切さ

 本当の教養とはどういったものなのだろうか。

よく教養があるとか無いの基準として、学歴や職業で判断する場合があるが、あれはあまりにもザックリし過ぎてるだろう。というのも、そもそも真の教養とは何だろうか、とよくよく考えるからだ。

0000000042172.jpg例えば、知的職業と言われる弁護士や医者だ。彼ら彼女らは、確かに豊富な知識を暗記しただけではなく、その知識を活用し応用するテクニックや考え方のノウハウは徹底した訓練で身に付けている。だが、それは真の教養と言えるのだろうか。どちらかというと、埋蔵している知識を効率的に取り出して、それを道具として使いこなす技術者的な優秀さではないだろうか。

では、何が真の教養か。思うに日本では特に軽視されがちな、ベースとなるものを考え洞察する事ではないだろうか。法律なり医学の基礎があるが、何故それはそうなのか。そう考え自分なりに納得できる結論を出せる力ではないだろうか。要は枠組みのようなものだ。これを考えられる能力である。

大学なら、最近は不要論さえ出ている文学を考える文学部や、基礎を見直す理学部、あるいは法律系なら法哲学の分野。やはり大事なのだろう。で、この枠がしっかりしてこそ、肉付けとなる実務の分野が堅牢になりうまく回るのではないか。

ところで、写真用品である。組み立て式暗室というのがある。森本化成という、この分野のパイオニアの商品が売れている。暗室だと固定的なイメージがあるが。森本のは用途に合わせて各種サイズがあるし、購買者の需要に応じたタイプの特注にも応じる。このため、デジタル時代の昨今だが、写真ルート外の大学の研究室からの注文も多い。さらに、暗室ではなくクリーンルームとして喫煙コーナーに用いられているという。これもしっかりとした枠組みを作っているからだろう。また、撮影ボックスにも使えそうだ。

まさに、森本化成の組み立て式暗室は真の教養とはなにかを示す、のだ。

しかし、本当にそうだよなぁ。そういう意味では、実務家ばかりの世の中はギスギスしていると思う。基礎をマイペースで研究する流れってあってもいいと思う。異業種交流会や婚活パーティーなどでも単に酒を呑んでるのもありなのだ。


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